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​三枚組絵シリーズについて

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三枚組絵シリーズとはなにか

 三枚組絵という言葉は、画家フランシス・ベーコンによる三枚組絵の作品群から引用したものである。それらの作品は三枚のパネルそれぞれに人物の図像を描いたものだが、彼はその形式に次のような効果があるという。「……ひとつひとつの絵を切り離しているのです。そして、絵と絵のあいだに物語が生じるのを妨げています。三枚のカンヴァスに人物をひとりずつ描けば、物語が展開しにくくなります。」¹  彼が批判するのは、絵画が物語に覆われてしまうことである。だから彼は三枚組絵という形式によって、人物たちを隔てているのだ。しかし、この三枚のパネルの関係性が物語によるものでないならば、それはなんなのだろうか。そこには、どのような秩序が働いているのだろうか。

 三枚組絵シリーズとは、それらのベーコンの作品を起点として、上演の場における秩序を探ろうとする試みである。

¹デイヴィッド・シルベスター 小林等訳 2018 『フランシス・ベイコン・インタヴュー』ちくま学芸文庫、pp.33-34

石田花奈
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。幼少期にダンス(おもにクラシックバレエ)を始め、大学で広義の「振付」に関心を抱く。『洋間たち』(2023)より、三枚組絵シリーズに参加。

増田祥基
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。大学で舞台芸術について学び、在学中から演劇活動を始める。主に制作者・俳優として活動。

我妻直弥
立教大学大学院現代心理学研究科映像身体学専攻修了。マレビトの会『福島を上演する』(2016)出演、フェスティバル/トーキョー17プログラム「実験と対話の劇場」にて『金星人』(2017)作・出演、立教大学現代心理学研究科修了制作『田圃』(2021)作・演出など。

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